(横須賀市走水)
明治9年、横須賀造船所のためにフランス人技術者ヴェルニーが築造した水源地です。
明治41年、横須賀市が一部払い下げを受け、市内に給水を開始したのが横須賀市営水道の始まりです。
この水源は関東大震災の時にも枯れることなく、今なお1日1,000m3の供給能力を持っています。
市内唯一の水源地であり、万一の災害時には応急給水拠点としての機能を備えています。
走水水源は、横須賀市の地震災害対策上の非常用水源として位置付けられていることから、クリプトスポリジウム等の病原性原虫や細菌による汚染にも対応する膜ろ過設備を導入し、水道水としての活用を図ることにしました。
この膜ろ過設備は、通常時1000m3/日(災害時1500m3/日)の処理能力を持ち、2系列の膜ユニットにて浄水処理を行うものです。
原水の急性毒性についてはメダカセンサー、膜処理後の重要な水質については水質自動測定装置(残塩、濁度、色度、pH、電気伝導率、水温を測定)を用いて監視しています。これらの画像や測定値等の情報は逸見総合管理センターにて24時間遠方監視し、より安全な水道水を供給しています。
イベントガイド・ヨコスカ No.172(2000.7.1横須賀市民文化財団発行)に掲載されました。
平成12年2月15日、横須賀に初めての国登録文化財が誕生した。 走水にある市上下水道局の施設で、国道16号線をはさみ山側の貯水池と海側の浄水池がそれである。 市民文化資産に指定されていたもので、もとは海軍の軍港水道用として造られたものだ。
貯水池は、1902(明治35)年竣工、容量142m3、上屋はレンガ造りで内部天井がアーチ型の「ヴォールト屋根」になっているのが特徴。 古びたレンガ積が歴史の重みを感じさせる。一方の浄水池は、鉄筋コンクリート造りで容量は1500m3、1908(明治41)年に完成した。 わが国の鉄筋コンクリート技術の黎明期に建設された施設で、極めて希少価値の高いものといわれる。 外壁には石で縁取りされた丸窓が一列に並び、「横須賀軍港水道浄水池」と記された石造りの銘板がはめ込まれていた。
走水は、日量約2000トンの地下水が年間を通じて取水できる市内唯一の自己水源地である。 この湧水は、ヴェルニーの時代に発見され、今なお枯渇することなく継続取水されており、降水後20数年を経て涌き出る水は、カルシウム等を多量に含み、おいしいことで有名だ。 艦船に搭載されたこの水は赤道を越えても腐らなかったという。
今回、両施設が登録文化財となったのは、用いられた技術が他に例を見ない優れたものであり、再現することが容易でない貴重な建造物として評価されたことによる。 文化財であると共に現役水道施設でもあるため見学は出来ないが、貯水池の煉瓦造上屋は国道からいつでも見ることができる。
貯水池の煉瓦造上屋
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鉄筋コンクリート造浄水池の上屋
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新しい文化財保護制度で、築後50年を経過している建造物が対象。 従来の文化財指定制度が厳密な保存のためであるのに比べると、考え方も諸規制も緩やかで、文化財を活用しながら保存することをねらいとしている。
登録されると、税の軽減、修復保存費用の低利融資など優遇措置が受けられる。